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仙台市選挙管理委員会について

 先日行われた、仙台市長選挙において仙台市選挙管理委員会により候補者のポスターの審査に関して不適切な対応が行われた。

 このことが意味するところは重いと考える。理由は以下の2点である。

 1.今までとはミスの内容が違う点

 2.ホームページ等に公表しない点

 まず、1についてである。今までは、いわゆる選挙事務とされる枚数の確認や交付等の単純事務作業でミスが発生していた。

一方、今回は選挙全体を見る立場である選挙管理委員会の職員による知識・接遇において不適切な対応が行われた点で大きく異なる。

単純作業は、頭の良し悪しというよりはストレス耐性などの適性が求められ、誰がやっても大きな差がでない特徴がある。だから約1,000票の白票水増し不正事件が起きるまで、アルバイトを多く雇っていた。投開票所の選挙事務は、選挙管理委員会以外の職員や募集したアルバイトが行っている。この点を使って、アルバイトのせいにしたり、一般の仙台市職員が不慣れなことを理由にミスの発生の責任転嫁を選挙管理委員会は行ってきた。しかしながら、今回は当の選挙管理委員会の職員が不適切な対応を行った。ポスターに関する知識が不足していたこと、過去に例のある事案なので、調べれば済むことを調べずに対応するという二重のミス行った。わからないことをわからないと素直に言えない点もしくは適切に案内できない点、お詫びをできない点でこの職員は性格・適性に問題があったと言えるだろう。大元の選挙管理委員会がこれではミスが減るわけがない。選挙事務従事者の正職員の割合を増やしても、ミスが起きるわけだと思わされてしまった。

 話は逸れるが、今回の仙台市長選挙の投票日を土曜日にしようと選挙管理委員会は調査していた。調査することも駄目なのかということだが、駄目である。理由は2点はある。

 イ.市民(有権者)のためにならないこと

 ロ.調査に職員の人件費やアンケート等の費用がかかること

 イは明らかである。選挙管理委員会は投票率向上に努めるべきである。土曜日に投票日を設定しても、向上につながるとは考えにくい。選挙運動ができる期間は限られている。投票日が近付くにつれて投票者数が伸びていくものである。仮に土曜日に投票日を設定した場合、選挙運動ができる最終日は金曜日になってしまう。一般的に土日が休日とされている日本において、有権者が候補者を理解して投票に行ける時間を制限してしまうことになる。金曜日では最後の訴えを聞くことを逃す可能性が高く、また平日に誰に投票するかを決めなければならないことになる。有権者のみならず、候補者にとって不利益を与える。たとえば仙台駅前やクリスロードの交差点のひとの数は休日に多く、仕事のある平日では、ゆっくりと訴えを聞くことはできない。そして、最後に投票をできる日を日曜日としないで土曜日とすることで、投票をできる機会を逸する可能性がある有権者がいる。日数を確保できれば良いと考えているならば、極めて自分たち本位の考え方である。そして、開票日を翌日とすると仙台市選挙管理委員会が投票用紙を1日保管するというリスクが発生する。また、投票日は日曜日で浸透している現在においていらぬ混乱をまねく恐れがある。

 次にロについてである。新しいことに挑戦することは大切なことだ。しかし、市民のためにならないことで、どうしても調べたいなら勝手に休日に路上でアンケートを行うなどして調査して欲しい。自分たちのためのみの利得のために税金を使うべきではない。

こういう発想を堂々と表に出す選挙管理委員会を理解できない。

 話を戻し、2についてである。記者会見等は行ったようだが、ホームページ等への公表がない。どういう認識でいるのか、わかりかねる。仙台市民の全員が河北新報をとっているわけではないことを認識する必要がある。仙台市の公式ホームページに公表がなく、懲戒処分等がなければその程度の認識だったと言わざるを得ない。

 以上の点において、選挙管理委員会は重大な問題を抱えている。人員刷新等の抜本的な改革が必要と考える。

                                                                              以上