· 

仙台市長選挙結果の分析について

 図より明らかではあるが、先の参議院選挙でも野党の候補者が当選しているように、それほど政権与党が強い地域ではない。直近の衆議院選挙でも郡氏と日本共産党の候補者の票数を合わせた票数を考えれば、小選挙区でも当選していたことは十分に考えられる。推測でしかないが、先の参議院選挙で桜井議員と自民党の候補者数の差は20,457票なので、日本共産党が候補者を立てていれば過去の日本共産党の候補者の獲得票数を考えれば仙台市での結果は変わっていた可能性はあり得る。もちろん単純に過去の選挙結果を足し合わせたとおりになるのかという問題はある。しかしながら、直近の選挙では足し合わせたような結果となっていて、今回の仙台市長選挙の自民党推薦の候補者も新人ではあるがそれなりの票数を獲得している。郡氏と菅原氏の差が大きく離れ、今までの選挙結果と異なる場合に、何か大きな原因が働いたと考えるのが妥当であろう。また、林氏の獲得票数は無視できない。衆議院議員選挙で、林氏は宮城県第2区(宮城野区・若林区・泉区)で60,653票を獲得している。普通に考えれば自民党、日本共産党、社会民主党以外の支持者からの票数である。維新の党は現在民進党になっていて、民進党は郡氏を支持した。林氏の今回の仙台市長選挙の獲得票数は、61,647票で有権者の7.06%にあたる。この票数が意味するところは、このデータだけではわからない。この票数の16,459票以上が自民党の支持者から国政の影響により獲得したとすれば、メディアの言うとおり今回の選挙は国政の影響の結果だったと言えるかもしれない。

 都議選との大きな違いは、公明党が自民党推薦の候補者の支援に回っていることだ。この当たりの影響は、仙台市議選の選挙結果を見ると推測できるが、仙台市選挙管理委員会のHPの結果のデータが見づらかったことや概要に書いた本筋とは関係ないことから省略させてもらう。また、前回の仙台市長選挙では奥山市長ではない候補者に62,178票入っている。このときの奥山市長の支持に回った勢力がよくわからないが、一部のメディアが言っている反奥山市長の票が郡氏に流れたというのは、否定できるデータがない。  

 結論としてこのデータから、安倍政権の影響による結果が一番の要因で今回の市長選の結果となったとは言えない。上記で述べたとおり、過去の選挙の結果から大きな変化は見られないからだ。もちろん、影響が全くのゼロということは断言できるものではない。秘密選挙の原則であるから、結果の数値から推測することがある程度の信頼性を確保できる手段だと考える。

 問題としては、仙台市長選挙の投票率が国政選挙よりも毎回低いということだ。このあたりの原因はこのデータから推測することはできない。先の参議院選挙では投票率が50%を超えているので、50%を超えることは実現可能である。また、当選者の有権者数に占める獲得票数割合が20%前後となっている。今回の選挙結果で言えば、郡氏と菅原氏の差は僅か約1.88%、16,459人の差である。選挙とはそういうものと言えばそれまでであるが、当選者には民意をきちんと汲み取って欲しい。 

 

 9・19追記 

 後日他の選挙の結果をまとめた。下記に内部リンクを貼っておく。 

 仙台市議会一般選挙  

 宮城県知事選挙(仙台市分のみ)             

                                              閃光のクレア